「知らなかった」じゃ済まされない!著作権・肖像権を侵害しないために
オリジナルネックストラップを製作する時「誰もが知っているあのキャラクターもデザインに入れたい」「大好きなアイドルグループのロゴを一緒に印刷してほしい」などと思ったことはありませんか?
でも、ちょっと待って。それは著作権や肖像権の侵害にあたっていませんか?
本記事では、オリジナルネックストラップを製作する時に注意しなければならない「著作権」「肖像権」について解説します。うっかり侵害してしまうと罪に問われる可能性もありますので、安心してオリジナルグッズ製作を楽しむためにも、必要な知識としておさえておきましょう。
1.著作権の侵害とは
まず、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」を著作物と言います。(※1)具体的には小説や音楽、映画、アニメ、ゲームなどです。
著作物を創作した人(著作者または著作権保有者)に与えられるのが、著作権という権利です。
著作権は、著作物を他人に無断で使用されない権利です。著作物は財産なので、「財産権」とも呼ばれます。それほど、人に奪われてはならない貴重な物だと理解ができますね。
第三者が著作物である作品をコピーしたり、一部を切り取り変更を加えたり、といった行為は、この権利を侵害することになります。
例えば、著作者に無許可でアニメのキャラクターのイラストをオリジナルグッズに印刷し、インターネット上に写真を掲載したり販売したりすることは、著作権の侵害となります。
ホットストラップでも、いただいたデザインが明らかな著作権物や商標権物の場合、お客様が版権(製作許可)をお持ちかどうか、確認をさせていただいております。
版権をお持ちでない場合は、「著作権侵害」にあたる可能性がありますので、製作をお断りさせていただきます。
また、版権を持っていると偽った場合、後に法的なトラブルになったとしても弊社は一切責任を持ちませんので、お客様ご自身で十分ご留意いただけますよう、お願いしております。
2.肖像権の侵害とは
著作権とあわせて知っておきたいのが「肖像権」です。
肖像権は、法律上の規定はありませんが、許諾なく自分の姿を撮影されたり、撮影された写真を公開されないための権利です。(※2)
そのため、例えばアイドルを許可なく撮影した写真を、許可なくオリジナルグッズに印刷してインターネット上に写真を掲載したり販売したりすることは、肖像権の侵害となります。
「アイドルの事務所に許可を求めるなんてハードルが高い」と思われるかもしれませんが、海外アーティストの場合は、国によっては制限が緩やかなケースもあるようです。アーティストの所属する事務所等に公式に問い合わせることで、比較的容易に使用許可が得られることもあります。
使用許可をもらったことをテキストで示していただければ、ホットストラップでもご対応させていただきます。
3.私的利用ならOK
私的利用する(個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用する)場合は、著作権侵害にはあたりません。
【私的利用の例】
・アニメのキャラクターを印刷したネックストラップを、家の中だけで楽しむ
・ファンアートを印刷したネックストラップをコミックマーケットで限られた人に頒布する
そのためホットストラップでは、私的なご利用目的であればご対応させていただいております。
「著作権や肖像権のある物でオリジナルグッズを作りたい場合、私的利用のみならOK」と念頭に置いておきましょう。
4.商標制度とは
商標とは、「事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)」のことです。(※3)お店や商品、サービスなどのマークやネーミングを財産として守るための知的財産権です。
そのため「大好きなブランドのロゴマークをオマージュしてオリジナルネックストラップを作りたい」と思った時は要注意。商標登録がされているロゴの場合は、「商標権侵害」にあたります。
5.OK例とNG例
上記を踏まえ、著作権や肖像権の侵害にあたる例と、あたらない例をいくつか挙げていきます。
①アニメのキャラクターを無許可で使用する【NG】
創作者(著作者)に無許可でアニメのキャラクターをそのまま使用したり、一部を変更して使用したりして、販売や不特定多数の人に配布するのはNGです。
②著名人や有名人の写真を無許可で使用する【NG】
著名人や有名人が写った写真を、本人の許可なく使用し、販売や不特定多数の人に配布するのはNGです。
街で見かけた人を許可なく撮影した写真や、インターネット上にあがっている写真を無許可で使用することも、肖像権・著作権の侵害にあたりますので、注意が必要です。
③ファーストフード店のロゴマークを無許可で使用する【NG】
「商標権侵害」にあたるので、NGです。オマージュして使用する場合も同様です。
④著作物を真似て描いたイラストを使用する【NG】
著作物を真似て自分で描いたイラストや有名人の似顔絵なら使ってもよいかと言うと、実はグレーゾーンなようです。
訴えられる可能性がゼロではないという意味で、NGとしておきましょう。私的利用ならOKです。
⑤著作者に許可をもらって、漫画のキャラクターを使用する【OK】
著作者の許可があれば問題ありません。
アニメであれば、アニメ創作者の著作権を所有しているアニメ制作会社等に版権があります。
そのため、そのアニメのキャラクターデザインを使用してオリジナルグッズを製作したい場合、版権元の会社から製作許可をもらう必要があるのです。一般的にアニメやゲームなどの版権許可は有料の場合がほとんどですが、必要な支払いを行い、許可をもらって製作することはOKです。
⑥著作権フリー画像・イラスト素材を使用する【OK】
「著作権フリー」というのは、「著作権が存在していない・放棄されているもの」を意味しますので、複製したり、一部を切り取って加工したりしても問題ありません。(※4)
最近では著作権フリーの画像やイラストを、無料または有料でダウンロードできるサイトも多く登場しています。そういったサイトで正式にダウンロードした画像やイラストの使用はOKです。
6.オリジナルのイラストなら安心
「理解はできたけれど、それでも著作権や肖像権の侵害が心配…」と思う方は、完全オリジナルのイラストを描いてみたり、肖像権の発生しない景色の写真を自分で撮影したりして、オリジナルのデザインを作ってみてはいかがでしょうか?
そうすれば、むしろ著作権は自分に属することになりますので、安心です。
オリジナルネックストラップは1本から製作できます。「作ってみたい!」と思われた方ぜひホットストラップまでお問い合わせください。
(※1)「著作権制度の概要」文化庁
(※2)肖像権ガイドライン ~自主的な公開判断の指針~2021年4月 デジタルアーカイブ学会(2023年4月補訂)
(※3)商標制度の概要/特許庁
(※4)著作権フリー/日本電子出版協会